薪ストーブには広葉樹か針葉樹か

 薪ストーブに興味を持つと必ず目にする話題が、薪は楢やクヌギなどの広葉樹がいいかそれとも松や杉などの針葉樹がいいかというものです。広葉樹の薪の良いところは火持ちが良い、つまり長い時間燃えていることでしょうか。一方針葉樹の良いところは熱量が多い、つまり早く暖まることでしょうか。値段は針葉樹の薪のほうが安いです。でも薪ストーブには広葉樹って結構針葉樹は叩かれているような。

 では10年薪ストーブを使ってきた経験から結論を言いましょう!一番いい薪は…廃材です!ってこれは反則かもしれませんが、私の本音です。だって、廃材はタダで貰えるし、すぐに火がつくし、すぐに暖まってくるし、気兼ねなく燃やせるし、良いことばかり。特に重いものを乗せるパレットの廃材は火持ちも良くて最高です。だいたい同じ太さの四角なので、薪ストーブの脇においておくのも安定していて便利です。

 中~太割の広葉樹(我が家で買っている薪屋さんは結構太割)だけで一冬越そうと思ったら大変です。1日中ストーブが冷めないようにできれば良いのですが、我が家のように共働きの家ではとにかく素早く手間無くでなければ薪ストーブ生活は送れません。薪ストーブを使い始めた頃は、とにかく全てを広葉樹でと張り切ってまして、広葉樹の太めの薪がうまく燃え始めるまでが大変でした。色々試して一番良かったのが、柴。休みの日には夫婦で川や山に柴刈りに行ってました。柴を薪ストーブに沢山突っ込んで火をつけると、あっという間にいい熾ができるんです。その熾の上に太めの薪を置くとその内にうまい具合に火がつくんです。でも柴刈りは大変ですし、柴は嵩張ります。2年でやめました。

 結局は廃材と広葉樹の薪をうまく混ぜて焚くのが良いというところに落ち着いています。やはり広葉樹だけでは寒いですからね。また廃材の弱点もありまして、それはいつでも手に入るわけではないということです。

薪ストーブと暖炉

 薪ストーブを使っている話をした方や、家に来て薪ストーブを見た方は大体口を揃えて「暖炉があるなんていいわね」と言います。日本には薪ストーブという文化がなかったせいなのでしょうか、小さい頃からのTVアニメの影響か、木を燃やして暖房をする=暖炉というイメージになっているようです。

 これが暖炉です。海外の映画やテレビ番組でもよくでてきますね。パチパチと薪が爆ぜる音、暖炉の前でロッキングチェアに座ってくつろぐ老人なんて感じでしょうか。優雅ですね~。

 一方こちらが薪ストーブです。我が家のアンコール エヴァーバーンの写真で申し訳ないのです。どうでしょう。家の豪華さが違うとか見るところはそこじゃないです。暖炉に比べてごつい感じがしますよね。暖炉と比べてしまうとすごく機械的な雰囲気が出てます。
 アンコール エヴァーバーンを例に薪ストーブってどんなものってことを書きますと、鋳鉄の塊です。肉厚な鋳鉄で外壁は作られているので、全面の扉を開けるときにも重厚感を感じます。重さは本体だけで179kgもあります。上部のトップローディング用の上蓋は鋼鉄製ですが、これもかなりの厚さと重さがあります。トップローディング用の上蓋は非常に重いのでガッチリと閉まります。全面の扉もギュッという感じで固く閉めないと閉まらないためガッチリと閉まります。

 ここらで本題の暖炉と薪ストーブについての話しに戻りますが、この2つの暖房器具は全く違うものと言う話です。
 暖炉の写真をみていただくとわかりますが、暖炉は家の中での焚き火です。野外で焚き火をするように、家の中で焚き火をしていい場所を決めて焚き火をしている感じです。火が燃えている環境はすごくオープンです。
 一方の薪ストーブはストーブという入れ物の中で火を燃やします。それも入れ物は密閉性が非常に高いです。なので火が燃えている環境はすごく閉鎖的です。
 じゃあ、暖炉と薪ストーブで火が燃えている環境が違って何が違うの?ってことになりますが、大きな違いは空気が自由に出入りできるかどうかです。暖炉はオープンなので薪は燃えるのに好きなだけ空気(酸素ですが)を使えます。でも薪ストーブはストーブ内に入る空気を絞っているので、薪は燃えるのに使える空気を制限されてしまいます。これはいろいろな利点があります。薪の燃え方を空気の量で調整できますし、冷たい空気をゆっくり燃えている薪の周りに流してあげることで、効率よく暖房ができます。煙突を通して暖かい空気を室外に放出するまでの経路を工夫することもできます。じゃんじゃん燃えている薪の周りにすごいスピードで冷たい空気が入ってきて、その空気がせっかく暖められてもすぐに煙突から出ていってしまえば暖かさが部屋に残りませんよね。アンコール エヴァーバーンについていえば、我が家は外気をストーブ内に引き込んでいるのですが、外気を炉内に入れるだけでも、ストーブに入ってから何メートルものくねくねした細い経路を通って、ストーブの熱で温めてから炉内に入るように作られています。空気でさえも簡単には燃えている薪には近づけさせてもらえないのです。
 薪ストーブは薪を燃やして暖房する原始的な暖房器具なのですが、実は使い勝手や効率を求めて結構マニアックな作りをされています。薪ストーブは暖炉ほど優雅な暖房ではないというお話でした。

薪ストーブのメンテナンスをお願いしました

10年目を迎えた我が家の薪ストーブです

  我が家の薪ストーブは アンコール エヴァーバーン といいます。アメリカのバーモントキャスティングス社のストーブです。クラシックな風貌やストーブの上蓋から薪が投入できる(トップローディング)などが気に入って決めました。アンコール エヴァーバーンは2次燃焼システムにセラミックを使っているのが特徴で、一旦炉内が高温になればすごくゆっくりと薪を燃やす続けてくれる中々優れものの薪ストーブなのです。窓が大きいので、薪が燃える様子もよく見えるのも気に入っています。
 大事に使ってはきたのですが、毎年フル稼働。そして使い始めてから早10年。煙突トップの防鳥ネットの詰まりもあり、壊れてきてしまったところもあったため1度専門の業者さんにメンテナンスをしていただくことにしました。上の写真はメンテナン後の写真なのですが、まるで新品のようになりました😁

 写真の通り天蓋の裏側もこの通りピカピカにしていただきました。
 写真の天蓋のすぐ下の奥側に四角い穴が開いているのが見えますでしょうか。この穴が煙突につながっていて煙や火の粉を吸い込んでいきます。アンコール エヴァーバーンの特徴である上から薪を投入できるトップローディングはこの仕組があるのでできるんです。(天蓋を開けたら炎がボーじゃとても薪を入れることはできませんよね)
 また炉内が高温になったら、今度はこの穴を塞ぐ蓋(ダンパー)が用意されているのでこれを塞ぎます。すると煙突の中はすごい力の上昇気流で空気を引っ張っていますので、唯一つながっている写真の下の方に写っているセラミックでできた2次燃焼ボックスから空気を引っ張り出そうとします。2次燃焼ボックスの口が写真で確認できると思いますが、ここが掃除機の口のように炉内の空気を吸い込み始めるのです。2次燃焼させている状態で上蓋を開けるとゴーというすごい音を立てて煙や炎が吸い込まれていくのを見ることができます。今年動画が撮れたら載せますね。
 さて今回壊れてしまったところはこの2次燃焼ボックスの左下の部分です。右下と比べると大きく穴が空いてしまっています。上の写真でも写ってますが下の写真の赤丸部分です。この部分は燃焼を促すために外からのフレッシュな空気を送り込む小さな穴が空いている部分なのです。まあこのままでももう少し使えるかなとは思ったのですが、やはり交換していただくことにしました。

 2次燃焼ボックスはセラミックでできているので壊れやすい(とずっと思っていた)。で、やっぱり壊れました。10年使って壊れたので、良くもったものだと考えるかもう少しもってよと考えるか、どうなんでしょうね。後日交換していただいてこうなりました↓

 交換はあっという間に終わり、眩しいくらいに新品になりました。上の部分と比べても全然別物です。
 費用は煙突・本体のメンテナンスと部品代まで含めて6万円ちょっと。痛いな~。10年で6万円ちょっと、いや去年も防鳥ネットが詰まって掃除してもらって1万5千円なので7万5千円。結構金がかかっているような。
 でもまぁ、これでまた当分活躍してくれるでしょう。