薪ストーブと暖炉

 薪ストーブを使っている話をした方や、家に来て薪ストーブを見た方は大体口を揃えて「暖炉があるなんていいわね」と言います。日本には薪ストーブという文化がなかったせいなのでしょうか、小さい頃からのTVアニメの影響か、木を燃やして暖房をする=暖炉というイメージになっているようです。

暖炉

 これが暖炉です。海外の映画やテレビ番組でもよくでてきますね。パチパチと薪が爆ぜる音、暖炉の前でロッキングチェアに座ってくつろぐ老人なんて感じでしょうか。優雅ですね~。

薪ストーブ

 一方こちらが薪ストーブです。我が家のアンコール エヴァーバーンの写真で申し訳ないのです。どうでしょう。家の豪華さが違うとか見るところはそこじゃないです。暖炉に比べてごつい感じがしますよね。暖炉と比べてしまうとすごく機械的な雰囲気が出てます。
 アンコール エヴァーバーンを例に薪ストーブってどんなものってことを書きますと、鋳鉄の塊です。肉厚な鋳鉄で外壁は作られているので、全面の扉を開けるときにも重厚感を感じます。重さは本体だけで179kgもあります。上部のトップローディング用の上蓋は鋼鉄製ですが、これもかなりの厚さと重さがあります。トップローディング用の上蓋は非常に重いのでガッチリと閉まります。全面の扉もギュッという感じで固く閉めないと閉まらないためガッチリと閉まります。

 ここらで本題の暖炉と薪ストーブについての話しに戻りますが、この2つの暖房器具は全く違うものと言う話です。
 暖炉の写真をみていただくとわかりますが、暖炉は家の中での焚き火です。野外で焚き火をするように、家の中で焚き火をしていい場所を決めて焚き火をしている感じです。火が燃えている環境はすごくオープンです。
 一方の薪ストーブはストーブという入れ物の中で火を燃やします。それも入れ物は密閉性が非常に高いです。なので火が燃えている環境はすごく閉鎖的です。
 じゃあ、暖炉と薪ストーブで火が燃えている環境が違って何が違うの?ってことになりますが、大きな違いは空気が自由に出入りできるかどうかです。暖炉はオープンなので薪は燃えるのに好きなだけ空気(酸素ですが)を使えます。でも薪ストーブはストーブ内に入る空気を絞っているので、薪は燃えるのに使える空気を制限されてしまいます。これはいろいろな利点があります。薪の燃え方を空気の量で調整できますし、冷たい空気をゆっくり燃えている薪の周りに流してあげることで、効率よく暖房ができます。煙突を通して暖かい空気を室外に放出するまでの経路を工夫することもできます。じゃんじゃん燃えている薪の周りにすごいスピードで冷たい空気が入ってきて、その空気がせっかく暖められてもすぐに煙突から出ていってしまえば暖かさが部屋に残りませんよね。アンコール エヴァーバーンについていえば、我が家は外気をストーブ内に引き込んでいるのですが、外気を炉内に入れるだけでも、ストーブに入ってから何メートルものくねくねした細い経路を通って、ストーブの熱で温めてから炉内に入るように作られています。空気でさえも簡単には燃えている薪には近づけさせてもらえないのです。
 薪ストーブは薪を燃やして暖房する原始的な暖房器具なのですが、実は使い勝手や効率を求めて結構マニアックな作りをされています。薪ストーブは暖炉ほど優雅な暖房ではないというお話でした。

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